書店での長時間座り読みについて
日本には、書店で本を買わないで立ったまま読むことを表す、「立ち読み」という言葉である。台湾のでは、そうした行為もあるが、本を読みながら、客は座っているので、「座り読み」と言われる。
客の立場としては、座り読みに賛成なのが当然だろうが、私は、出版業と作家の立場からすれば、やはり本を購入して読むのは良いことだと思う。私は書店での長時間座り読みに反対する。
日本と台湾の書店は、そうした行為への対応が全く違うと思う。日本の書店は、大抵立ち読みを禁止するが、台湾は、座り読みが許される場合が多い。又、誠品書店や金石堂書店といった書店は、座り読みを禁止でなく、ソファーや椅子を客に提供することがある。
しかし、台湾人としての私は、こうした行為を禁止しないのか疑問があった。あるとき、誠品書店で部長を担当している先輩に、この質問をしてみた。先輩は、誠品集団にとって、誠品書店は、営利のためではなく、企業イメージを高める手法だ」と答えてくれた。商売人の立場から見ると、座り読みを禁止しない原因が分かる。
だが、企業のそうした手法は出版社や作家に対し、不公平だと考える。確かに、小売側は客の座り読みを許すことにより、利益を得られる。しかし、出版社と作家側は、売り上げが影響されると思う。社会が出版物を支えなければ、既に不景気な出版業界の将来は、悪くなる一方だ。
以上の理由で、台湾人である私は、書店で長時間座り読みの経験は全くない。もし、ある本が読みたいけれどが、値段や購入の必要からの原因で買いたくないとき、図書館で本を借りることを進める。或いは、新刊のベストセラーをすぐに読みたいのであれば、こうしたサービスを提供している台湾の漫画喫茶もいい。読みたい本を得る方法はいろいろあり、書店での座り読みは必要ないと思う。そう考えると、日本の書店が立ち読みを禁止することは、出版社と作家を守るためかもしれない。
近年、知的財産権がだんだん社会的に重視されている。創作者の権利を尊重し、保護することは必要だ。また、新しい書籍を作り出せるのは、出版社と作家の多くの努力あってことだ。
もし、社会の皆さんは書店でお金をかけず座り読みばかりしていては、台湾は文筆業、また出版関連の業種はいつか消えてしまうと思う。だから、私は書店での長時間座り読みに反対する。